私のこれから残しておきたい図書 vol.3

「私のこれから残しておきたい図書」では、県内の経営者・クリエイター・学生のこれからも手元に残しておきたい本を聞き、その理由をアンケートしました!

人間の惨めさ、醜さ、欲望が渦まく世界を旅しながら、登場人物の視点から生き方について語り継いでいく。

キノの旅 the Beautiful World

出版社・発行年月日:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2000/7/10)

この本を選んだ理由

世界は残酷で、それ故に美しい。
この言葉が印象的で惹かれたため、小説を手に取りました。
人間の惨めさ、醜さ、欲望が渦まく世界を旅しながら、登場人物の視点から生き方について語り継いでいく。色々な国を回りながら、色々な人々の生きるを見ていく物語です。一つの章を国ごとに区切ってみていくので、見やすい小説です。

人間を信じ騙す物語です

六花の勇者

出版社・発行年月日:集英社 (2011/8/25)

この本を選んだ理由

裏切りの連続、誰を信じていいのかわからなくなるような物語。最初から読んでいくと、主人公の言動さえも信じれなくなるような内容に背筋がぞくりとしました。1巻の最後で涙が溢れるほどの衝撃が詰まっていて、この小説に出会えて本当に良かったなと思えるものでした。仲良しこよしの世界が好きな人にはお勧めできない、人間を信じ騙す物語です。


名前(PN可):saspan さん
性別 :女性
年齢 :18
ささぱんです。猫と音楽と料理が好きです。

熱すぎもせず冷たすぎもしない、リアルで怖いくらいバランスの取れた透明な言葉が人と言う境界を予感させる。

MOMENT

出版社・発行年月日:集英社 (2005/9/16)

この本を選んだ理由

主人公が死を間際にした人の願いを叶えていく話だが、綺麗ではなく「奇麗」と言う言葉が合う作品。失うと分かっているからこそ湧きあふれる、人であろうとする願望。そしてなり切れない現実。その姿がただ淡々と描かれている。熱すぎもせず冷たすぎもしない、リアルで怖いくらいバランスの取れた透明な言葉が心地よく、高校生の時から愛読しています。

楽しいと寂しい。時が経つにつれ、見えてくる関係性

おっこちゃんとタンタンうさぎ

出版社・発行年月日:集英社 (2005/9/16)

この本を選んだ理由

今でも記憶に残っている絵本の一つで、色づかいや絵のタッチが好きだっ冒険が子供ながらにわくわくし、話が進むに連れ二人の関係性が変化(おっこちゃんがだんだん大人になるが故に)してしまう様子に少し切なく感じたのを覚えています。この本をきっかけに幼少の自分はオリジナル絵本作りにはまり、その絵本を紹介する為の広告やロゴを作る一人遊びをしていました。


名前(PN可):おかたろう さん
性別 :男性
年齢 :29
編集長の人

本来楽しい筈のクリスマス・キャロルをここまで「ああ…」と正に気落ちさせてしまうようなパロディ

憑かれたポットカバー クリスマスのための気落ちした気色悪い気晴らし

出版社・発行年月日:河合書房新社 2015/12/20

この本を選んだ理由

大人向け絵本作家として数々のコレクターを生み出したエドワード・ゴーリーの作品です。ゴーリーの作品はどれも大好きなのですが、本来楽しい筈のクリスマス・キャロルをここまで「ああ…」と正に気落ちさせてしまうようなパロディに仕立てているところが彼らしくて気に入っているので、この本を選びました。線が太かったりカラーだったりとしますが、独特の雰囲気、緻密なイラストによる完成度の高さは変わらず、それに柴田元幸さんの絶妙な翻訳が加わることでより素晴らしい一冊となっています。

サキとゴーリーのチクリと刺すような笑いと毒を秘めた作風

けだものと超けだもの

出版社・発行年月日:白水社 2016/01/18

この本を選んだ理由

私の大好きなサキの短編集が柴田元幸さんの翻訳で出版される、ましてやイラストは1冊目で触れました絵本作家エドワード・ゴーリーとなれば、買うしかありませんでした。サキとゴーリーのチクリと刺すような笑いと毒を秘めた作風が見事にマッチし、小説を更に盛り立てています。タイトル通り動物が出てくる作品も多く、サキの小説ではおなじみのクローヴィスも出てきます。登場人物達の「悪ふざけ」を是非お楽しみ下さい。


名前(PN可):カロン さん
性別 :女性
年齢 :19
ノンフィクション以外何でも読みますが、特に海外の作品が好きです。